2013年4月4日木曜日

昨日の小鹿田トリップ!!!


今日になってみると、なんだか小鹿田に行ったのが、遠い昔のような気分ですが、、、よく考えてみると、よく考えるまでもなく昨日のことなのでした。
いいお天気だったなあ。

大分県日田市源栄町皿山
小鹿田焼きの窯元です。
頂いたしおりから抜粋してご紹介しますと・・・

ここは古くからの歴史があります。
江戸時代中期に、筑前の国、小石原焼から陶工・柳瀬三右衛門を招き、大鶴村の黒木十兵衛によって開窯された李朝系登り窯です。
開窯以来300有余年にわたって、当時の技法を受け継ぎ、窯の火を守ってきました。
代表的な技法として、飛びかんな・刷毛目・くし描き・打ち掛け・流しなどがあります。
昭和6年に民芸運動の指導者、柳宗悦氏の来山により、その伝統技法と質朴な作調が賞揚されました。
また、昭和29年.39年には、世界的にも著名な英国のバーナード・リ―チ氏も逗留されて作陶された経緯があります。
ずっと昔から10軒の窯元が一子相伝で伝統を守られています。

 唐臼が水流を利用して、陶土をついて、細かくしています。
ここだけ見ると、今はいつの時代なのだろう・・・とぼんやり考えてしまうくらい、のどかな時間が流れています。

 川沿いに登り窯や唐臼が点在しています。
ゴトン、、ゴトン、、、と音が響いて、すごく落ち着きます。

 道沿いの塀に埋め込められたお皿です。

 全部で8部屋くらいあった大きな登り窯。
一部屋がすごく大きいので、たくさん作品が入ります。
窯元が皆さんで共同で窯焚きをされるのだと思います。

 ここは唐臼がひとつですね。

 のんびり眺める息子。

 10軒の窯元のうちのひとつ、坂本浩二さんの窯にお邪魔しました。

実は、私と主人は14年前に一度、小鹿田に来たことがあります。
その頃はまだ息子も娘も生まれておらず、二人で来ました。
私は初めてその時初めて訪れたので、それまで本でしか見たことがなかった唐臼や窯元の様子に感動したのを覚えています。
実に14年ぶりの小鹿田。まったく変わりのないその雰囲気にまた感動しました。
14年前も坂本さんの窯にお邪魔しました。
その時は、ふたつのろくろに、高齢のおじいさんとその息子さんと思われる中年の男性が無言で仕事されていました。
淡々と、どんどんろくろをひいて、たくさんの作品ができあがっていくのを、私たちも無言で見学していました。
なつかしいです。
今回は、そのろくろには、若い男性と、少年が仕事をしていました。
そして、外には60代か70代前半くらいの男性が土をつくる仕事をされていました。

 私はこんな土を乾かす窯をここでしかみたことがありません。

 唐臼でついた陶土を水に 溶かして沈殿させ、ふるいに通して、細かい土だけこして、水分を抜いて粘土をつくっていきます。

ここは作品の展示室です。
どれも、驚くほど価格が安いです。
なんでだろう、と思うくらい安いです。
今回買ったご飯茶わんもすごいきれいです。それが600円でした。
なんで?って思うくらい安いです。

どの窯も同じ飛びかんなとかの技法をされていて、ご飯茶わんや湯飲みやお皿、だいたい同じようなサイズのものを作られていますが、よく見ると、それぞれに雰囲気が違います。
私は坂本さんの器が飛びかんなもきれいで、一番好きです。

前回もほぼ同じサイズの茶碗を買いました。
あとで並べて紹介しますね。
お茶碗を買う時に、お店の方とお話したら、今ろくろをひかれているのが息子さんとお孫さんとのことで、さっき土をつくる仕事をされていた男性が、昔、私たちが仕事を見学させて頂いたときの中年の男性でした。お店の方はその方の奥さんですね。
高齢の男性は、88歳くらいまで現役でお仕事されていたそうです。
そして、お孫さんはろくろデビューされたばかりとのことです。
そこで頂いてきた手仕事フォーラムの雑誌に坂本さんが文章を書かれていました。
ちょっと、ご紹介しますね。

伝統をつなぐ。

小鹿田焼の伝統のひとつとして「大ものづくり」がある。これは実際、やらなきゃできないけどやっても売れないという意味で、今はそれを伝統として残していける状況ではなくなってきている。コップなどの小物類しかでないというのが現状だから。
しかし、どこかで原点に返らないと、状況に流されるままに進んでいくのでは、見落としてしまうことがいっぱいあるように思う。・・・・・小鹿田焼の伝統である大きなものができれば、小さなものもよくなると僕は思うし、小鹿田のみんなにそれを期待する。・・・・・・

・・・・・今年、自分の息子も陶工として窯場に出てくるようになる。親は息子には教えられないから、小鹿田では周りが育てる。息子は周りを見て勉強することになるが、そのときに周りの人ができないことには、息子が教えてもらうこともできない。僕は、自分のことで精一杯だけど、自分の息子が中学生になって、あと何年したら陶工としてでてくると言うことを意識したとき、自然に周りのことも考えるようになった。
僕自身も、もう少し前にもどって、昔やったものをやりたいなと思っている。・・・・・・・・

一子相伝でこの小鹿田焼を守っていくというのは、本当に大変なことなのだと思います。
そこに生まれて、伝統を受け継いでいく覚悟を決めるというのも、相当の覚悟がいるものと思います。つくづく、、、すごいなあと思いました。
お孫さんも、頑張って頂きたいなと思います。


 みんなで歩きながら、それぞれの窯元を訪ねて楽しみました。

 こんな風景が昔から続いているのでしょうね。

 バスの停留所がありました。
のどかな雰囲気です。

 奥には年配の女性が働いていたり、その周りを小さな子供たちが遊んでいたりします。
その子供たちが数年後、窯を継いでいくのかなと想像したり・・・

はい!これが私が買ったお茶碗です!
 左が14年前に買ったもの。右が今回買ったもの。

 やっぱり坂本さんの窯の飛びかんなは美しいです。
緑がかった釉薬もきれい。
そして、堅牢です。
14年前に買ったお茶碗もよく使っています。
私の荒い使い方にも耐え、欠けてもいません。強いです!
ふたつに増えて嬉しい!
またいつか小鹿田を訪れたら、また坂本さんのところで同じお茶碗を買いたいです。
 

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